赤玉土は通気性や水はけに優れた用土で、多くの観葉植物に適しています。赤玉土の特徴や、植物の性質に応じたブレンド方法を知り、植物にとって快適な環境をつくりましょう。赤玉土にカビが生える原因についても言及しています。
観葉植物に適した土とは
観葉植物が丈夫にすくすく育つには、水・土・日光の3つが必要です。特に『土』は物理的にも栄養的にも植物全体を支えており、土の良し悪しに成長が大きく左右されるといえるでしょう。
観葉植物に適した土とは一体、どんな土なのでしょうか?
観葉植物用の土だけではだめなの?
ホームセンターや園芸店に足を運ぶと、たくさんの種類の土が並んでいます。園芸用土・観葉植物用土・野菜用土のほかに、多肉植物やサボテンに適した土まであります。
こうした土は『培養土(ばいようど)』とよばれ、数種類の基本用土・補助用土・肥料が適切な割合でブレンドされているのですす。
『観葉植物用土』は水はけと保水性のバランスが取れており、適度な肥料も含まれているので、これだけでも問題なく観葉植物は育ちます。初心者は、最初から調節されている培養土を使うのが安心でしょう。
しかし、観葉植物と一口にいっても、乾燥に強いものから潤いを好むもの、実を結ぶものまで、さまざまな種類があるため、特性に応じた土を自分で配合するのが理想です。
赤玉土に腐葉土を配合
自分で土を混ぜるときは、まずベースとなる『基本用土』を決め、そこに土の状態を改良する『補助用土』を加えていきます。基本用土は、全体の半分以上を占める重要な土なので、植物の特性を見て選びましょう。
- 基本用土:黒土・赤玉土・鹿沼土・庭土・荒木田土・水苔など
- 補助用土:腐葉土・ピートモス・堆 肥・パーライト・バーミキュライトなど
観葉植物には、基本用土の『赤玉土』に補助用土の『腐葉土』をブレンドしたものが用いられます。
赤玉土だけでは栄養がないため
「必ず補助土を混ぜなければいけないの?」「基本用土だけでは育たないの?」と思う人もいるでしょう。実際、水苔で育つ胡蝶蘭や、鹿沼土で育つサツキなど、植物のなかには基本用土のみで育つ種類は存在します。
赤玉土は、水はけがよく観葉植物の基本用土としては最適ですが、植物の成長に必要な養分が一切含まれていません。
特に、多くの栄養を必要とする品種には不向きで、腐葉土を加えて土を肥やす必要があります。
植物に合わせて必要な土を足す
基本用土の配合比率は、赤玉土が6~7割、腐葉土が3~4割が理想です。植物は種類が違えば、最適な土壌も異なります。植物の特性を知り、それにあった土を足していくことがポイントになるでしょう。
たとえば、水を与えすぎると根腐れしやすい品種は、ベースになる赤玉土を多めにし、通気性・排水性のある軽石やパーライトを加えます。
また、日当たりのよい場所を好む植物には土の乾燥を防ぐために、保水性の高いバーキュライトを2割ほど加えるのがおすすめです。成長過程で多くの栄養を必要とする植物には、適量の肥料を与えると葉がイキイキと育つでしょう。
このように、同じ観葉植物でも適した土壌が微妙に違うため、培養土を使った場合でも、臨機応変に調節するのが好ましいです。
赤玉土の特徴を知ろう

観葉植物の土に欠かせない赤玉土の特徴とメリットを理解しましょう。赤玉土には植物が成長するための栄養分が含まれていませんが、快適な環境を保つための重要な役割を果たしています。
そもそも赤玉土とはどんな土?
赤玉土(あかだまつち)は、黒土と並び、園芸で最も多く使用される万能用土です。関東平野の火山灰層(関東ローム層)の赤土を乾燥させ、ふるいにかけただけのもので、大きさにばらつきがあります。
『細粒』から『大粒』までいくつかのサイズに分類され、用途によって使い分けられるのがメリットでしょう。また、ph値は弱酸性で、さまざまな種類の植物に適しています。
赤玉土のデメリットは長期間使用していると、劣化して玉が崩れてくる点です。赤玉土を焼き固めた『硬質赤玉土』もありますが、ph値がアルカリ性のものもあるので、利用時は注意が必要です。
排水、保水のバランスを保てる
赤玉土のメリットは、排水性・通気性・保水性・保肥性に優れている点です。
植物の根は常に呼吸しているので、水と空気の通り道をしっかり確保するのは土の重要な役目でしょう。排水性や通気性が悪いと、根腐れやカビの原因につながります。
『保水性』は『水持ち』ともいわれ、必要な水分を保持する力です。サイズが小粒になるほど保水性が高まるので、必要に応じて選び分けてください。
一方、『保肥性』は肥料を土に留める力です。赤玉土自体には栄養分は含まれていないので、他の土や肥料と一緒に使うことで保肥性が発揮されます。
虫がつきにくい
火山灰土からできた赤玉土は栄養を含まない無機質な用土です。コバエや菌のエサとなる栄養源がないので、虫がつきにくく、菌が繁殖しにくいメリットがあります。
衛生的で、かつにおいの心配もないことから、室内での栽培には重宝するでしょう。
表面に撒いて虫を予防することも
赤玉土を土の表面に敷き詰めることで、虫がよりつきにくくなります。
たとえば、キノコバエは、腐葉土に含まれる動物の糞や植物の死骸をエサとし、湿った土(深さ2~3cm)に卵を産みつけます。赤玉土を5cmほどの厚さに敷き詰めておくと、コバエの繁殖が効果的に防げるでしょう。
赤玉土の選び方

赤玉土には、さまざまなサイズ・硬さがあります。使い分けの例を挙げながらそれぞれの特徴を説明します。赤玉土と硬度赤玉土の違いについても理解しておきましょう。
サイズはさまざま
赤玉土の基本のサイズは、小粒・中粒・大粒に分けられ、大きさによって用途が異なります。また、細粒・極小粒といった小粒よりもさらに細かいタイプもあります。
1~2cmの『大粒』は軽石や鉢底石の代わりに使われるのがほとんどで、土に混ぜて用いられるのは6~10mmの『中粒』かそれ以下のサイズが多いようです。
中粒は虫よけのために、土表面に敷き詰めたり、排水性を高めるために、土に混ぜたりして用いられます。
3~6mmの『小粒』は、最も利用頻度が高いサイズで、中粒より保水性が高いのが特徴です。排水性もまずまずなので、植物の植え付けに適しています。
極小粒は2~3mm、細粒は1~2mmの非常に小さな粒です。排水性は劣りますが、保水性が非常に高く、混ぜ込むと土の潤い度が増します。湿り気を好む品種の植物に向いているでしょう。
挿し木は小粒を選ぶとよい
『挿し木』は、株の一部を切り、発根させて増やす方法です。
土に肥料や腐食したものが含まれていると、発芽する前に腐れてしまうケースがあるため、挿し木用の土には、無菌で、保水性が高く、かつ栄養分がないものを選びます。
この条件を満たしているのが赤玉土で、保水性の高い『小粒』を選べば、挿し木にとって快適な環境になるでしょう。
硬さもさまざま
一般的に、赤玉土は硬度が低く、手で握ると簡単に崩れてしまいます。商品によって硬さが若干違うため、指で触って確認してみましょう。硬いほど品質がよく、赤玉土としての役目をしっかり果たしてくれます。
赤玉土を高温で焼いて、硬度を高めたものを『硬質赤玉土(焼赤玉土・上質赤玉土)』といいます。
排水性・通気性がよく、劣化しにくいのがメリットですが、水はけがよすぎて保水性に欠けるのが難点です。植物がどんな土を好むかで使い分けます。
乾燥を好む観葉植物の場合

乾燥を好む観葉植物の場合は、どのような土の配合量がベストなのでしょうか?根腐れしやすいので、水はけや通気性を第一に考えるのがポイントです。
サンスベリア、アロエなど
乾燥を好む植物の代表格に、サンスベリアやアロエ、サボテンなどがあります。
『サンスベリア』は、アフリカの乾燥地帯に生息するスズラン亜科チトセラン属の多年草で、剣のように尖った平べったい葉が直立しているのが特徴です。サボテンと似た性質で、乾燥気味に育てたほうがトラブルが少ないでしょう。
一般的な観葉植物は、土が乾いてからたっぷり水を与えるのが基本ですが、サンスベリアのような乾燥に強い観葉植物は土が乾燥し、さらに1~4日ほど待って水を与えます。
『アロエ』は南アフリカ共和国やアラビア半島に分布する多肉植物で、内部に水分をたっぷり蓄えています。アロエに関しては、成長が緩慢になる冬は水やりをしなくてもOKです。渇水での枯死は滅多にありません。
水はけと通気性を意識した土づくり
乾燥に強い観葉植物には、『排水性』と『通気性』を重視した土が適しています。土が常に湿り気を帯びていると、カビや細菌が発生し、根に付着して根腐れを引き起こすでしょう。
土は、赤玉土を5、腐葉土を1、パーライトを4の目安でブレンドするのがおすすめです。
『パーライト』は火山岩や珪藻土などを高温で処理したもので、表面に無数の空洞があります。通気性と水はけのよさを併せ持っているので、根腐れしやすい植物には欠かせません。
乾燥に弱い観葉植物の場合

熱帯雨林が原産の植物は湿潤で暖かい環境を好みます。自生地に比べ、日本の気候は寒く乾燥しているので、土を改良し、できるだけ自生地に近い環境を用意してあげましょう。
アジアンタム、カラテアなど
湿潤さを好む観葉植物には、アジアンタムやカラテアなどが挙げられます。
『アジアンタム』は、青々とした小さく繊細な葉を一斉に茂らせるシダ植物の仲間です。ギリシャ語で「濡れない」という意味の『adiantos(アディアントス)』が語源なのだそうで、葉が水を弾く様子が目に浮かびます。
直射日光や乾燥、寒さを嫌い、土が乾く前に水やりをする必要があります。
『カラテア』は熱帯アメリカが原産のクズウコン科で、葉にエキゾチックでユニークな模様があるのが魅力です。世界には300種類もの品種があるとされ、なかには美しい花を咲かせるものもあります。
カラテアの美しい葉を保つには、乾燥と寒さに注意しなければなりません。水やりは土が乾いてからでOKですが、保水性のある土を用い、葉には霧吹きによる葉水が必要です。
ピートモスを使って保水力をアップ
乾燥に弱いデリケートな植物には、保水性が高い土を多くブレンドしましょう。赤玉土5に対し、ピートモスを4、バーミキュライトを1の割合でブレンドします。
『ピートモス』は補助用土の1つで、土に混ぜる前に水をたっぷり含ませて使います。保水性や保肥性が高まる上、適度な通気性も持ち合わせているのが特徴です。
酸度の調整されていないピートモスを使うと、土が酸性に傾いてしまうので、必ず調節されたものを購入しましょう。
『バーミキュライト』も保水性や保肥性のある補助用土です。断熱性のあるアコーディオン層が、夏の暑さや冬の寒さを緩和してくれるので、植物にとっては優しい土といえるでしょう。
乾燥に強い観葉植物の場合

耐乾性の度合いは品種によって異なりますが、多くの観葉植物は乾燥に比較的強い性質を持っています。乾燥に強い観葉植物は、『乾燥を好む植物』とは違い、保水性と排水性のバランスが大切です。
シェフレラ、ユッカなど
『シェフレラ』は、乾燥に強いだけでなく、耐暑性や耐寒性、耐陰性も持ち合わせた植物です。台湾・中国南部が原産のウコギ科で、ツヤのある肉厚な葉を茂らせます。丈夫な品種なので、肥沃で水はけがよければ、土質を選びません。
『ユッカ』は北アメリカから中央アメリカの乾燥地帯に生息するリュウゼツラン科の木本で、水が少なくても青々とした葉を茂らせます。幹は太くしっかりとしており、生命力が溢れているのがわかるでしょう。
シェフレラもユッカも、水やりは乾いたらたっぷり与えるのが基本で、ちょっと水やりを忘れただけでは枯れません。逆に土が湿りすぎていると根腐れを起こします。
水はけに優れた土づくり
乾燥に強い観葉植物には、程よい保水性と、優れた排水性のある土が必要です。冬の休眠期に入ると、植物が水をほとんど吸い上げなくなることを考慮して、水はけのよさを最優先に考えます。
乾燥しすぎても、湿りすぎてもNGなので、赤玉土6、腐葉土3、パーライト1の割合でブレンドしましょう。
赤玉土でもカビが生えるのはなぜ?

赤玉土は栄養を含まない無機質で、腐葉土や有機肥料に比べれば、虫やカビは発生しにくいです。しかし、手入れや環境が不十分であれば、赤玉土にもカビや虫が発生する可能性はあるでしょう。
水分があれば発生の可能性はある
目に見えないカビの胞子は、風に乗ってあちこちに飛散し、着地した場所が生育の条件に合っていれば、わずか数時間で発芽をはじめます。
カビが生育する環境の条件は、日当たりが悪いこと、そして湿り気があることです。カビが繁殖する温度は、5~35℃と幅広く、気温が低い冬場を除いて、いつでもどこでも発生する可能性を秘めています。
たとえば、無菌の赤玉土のみを使った鉢植えでも、水分を含み、表面にわずかな汚れやほこりが付着していれば、それを栄養源にしてカビはどんどん繁殖するでしょう。
原因を見極める
カビが発生したら、原因がどこにあるのかを見極めましょう。
- 日当たりの悪い場所に置いている
- 風通しが悪く、湿気の多い場所に置いている
- 受け皿の水を捨てない
- 家にいる時間が少なく、こまめな換気をしていない
- 鉢の土が常に湿り気を帯びている
- 有機肥料を与えすぎている
観葉植物のなかには耐陰性が高い種類もありますが、日陰だけに置かず、1日に数時間の日光浴をさせるのが好ましいでしょう。
また、よくありがちなのが『水やりのタイミングの誤り』です。土の表面は乾いているように見えても、土の中は湿っているケースは少なくありません。
1人暮らしのアパートなどで窓があまり開けられない人は、小型のサーキュレーターを使い、室内の空気を循環させましょう。
無機質の土、肥料の割合を見直す
土の中に、カビのエサとなる栄養素が豊富に含まれていれば、カビは繁殖しやすくなります。カビやコバエが好むのは、腐食した葉を原料とした『腐葉土』や動物の糞や植物性の有機物を含む『有機肥料』です。
赤玉土を増やしたり、有機肥料を化成肥料に変えたりするだけでも、カビや虫の発生はグッと減らせます。
なお、『観葉植物用土』などの市販の培養土を使用している人は、肥料成分の量を確認してください。培養土にはあらかじめ肥料成分が含まれていますが、それを知らずに肥料を加えてしまう人もいます。
肥料過多は、植物に影響が及ぶだけでなく、カビや虫が繁殖しやすい環境をつくります。
まとめ
植物のすこやかな成長に必要なのは、栄養が豊富な土や肥料だけではありません。根に酸素や水を行き渡らせ、根腐れを防ぐための『通気性』や『水はけ』なども重要な要素であることがわかったでしょう。
赤土玉は園芸では万能用土といわれており、さまざまな植物に使うことができます。
初心者は培養土を使うのが便利ですが、慣れてきたら、自分で土をブレンドしてみましょう。


