花は古くから大切な人への贈り物の1つとされてきましたが、最近では、生花ではなくプリザーブドフラワーを選ぶ人も多くなってきました。見た目が華やかでアレンジもきくプリザーブドフラワーの魅力や、贈り物として利用されるシーン例などを紹介します。
プリザーブドフラワーとは
プリザーブドフラワーとは、生花に特殊な保存加工を施すことで、長期間鑑賞できるようにした花のことです。『preserve(保存する)』という英語からその名がつきました。
オーガニック系の染料を吸収した後、乾燥などの工程を経た生花は、美しい形と色が保たれ、長期保存が可能なプリザーブドフラワーになります。
生花のような美しさでアレンジも豊富なため、最近ではテーブルフラワーや贈り物として採用される機会も増えつつあるのです。
プリザーブドフラワーの起源
世界初のプリザーブドフラワーは、フランスのヴェルモント社によって1987年に発表されました。1991年には同社が『長寿命の切花製法』として世界特許認定を取得しています。
枯れることがなく、長期保存が可能なこと、従来の生花以上に豊富なカラーバリエーションが実現したことが評価され、プリザーブドフラワーはすぐにヨーロッパの著名なフラワーアーティストたちの作品に取り入れられました。
こうしてヨーロッパ全土に瞬く間に浸透した後、日本にも伝わりました。花業界に一大ムーブメントを引き起こしたプリザーブドフラワーは、現在はウェディングフラワーやディスプレイフラワーとして活躍の場を広げているのです。
プリザーブドフラワーの特徴
プリザーブドフラワーは、長期保存のための特殊な加工が施されているにもかかわらず、生花のようなみずみずしさと美しさを保てるのが特徴です。
手触りも柔らかく、造花にはない生命力が感じられ、その美しい姿のまま2~3年楽しめます。水やりなどの手入れは必要なく、花粉の心配もないため管理も簡単ですね。
また、プリザーブドフラワーは、現実の生花にはない色合いが実現できるのに加え、色の微妙なニュアンスの違いも反映させることができるというメリットもあります。
そのため、利用シーンに合わせたアレンジをしやすく、色とりどりの華やかな演出が可能です。
プリザーブドフラワーの種類

プリザーブドフラワーは、種類によっては向き・不向きがはっきりしています。特に、花びらが少ないものや取れやすいものは、プリザーブドフラワーにするのが難しいとされていました。
しかし、近年は加工技術が改良されたことにより、どんどん新たな花材が増えてきています。具体的に、プリザーブドフラワーの種類にはどのようなものがあるのでしょうか。
バラや紫陽花など豊富な花材
プリザーブドフラワーの中で、特に種類が豊富なのがバラです。花の開き具合や開花の形など、バリエーションが豊富で扱いやすいため、多くのアレンジに取り入れられています。
バラと同じくらいポピュラーな花材が紫陽花です。可憐な小花が集まって咲く様子は単体でも人気ですが、プリザーブドフラワーのアレンジでは、花材同士の隙間を埋める名脇役としても多く用いられています。
そのほかにも、カーネーションや菊、ガーベラなど、プリザーブドフラワーの花材とされる花の種類は豊富です。
なかには、ハナミズキやほおずきなど日本風のアレンジが引き立つ花材もあるので、部屋のテイストなどによって、さまざまな花材を使い分けるのもよいでしょう。
青などの自然界にない色も魅力
プリザーブドフラワーは、色合いのバラエティが豊富なのが特徴です。種類が多いのはもちろん、青や黒、緑など、生花ではほとんど見かけないような色も楽しめます。
単色のほかにも、バイカラー(2色)にしたり、グラデーションをつけたり、ラメ加工を施したりなど自由度の高さも魅力ですね。
ブーケやケーキなどアレンジもさまざま
プリザーブドフラワーは、見た目の華やかさや長期保存が可能な特性を生かして、さまざまなアレンジが施されています。
鉢植えに活けるスタイルや、箱の中にデコレーションするスタンダードなタイプ、プリザーブドフラワーをふんだんに飾りつけたフェイクケーキなどの変わりダネまで、その種類はさまざまです。
軽くてアレンジしやすく長持ちするというメリットを生かして、ウェディングブーケに採用されることもあります。生花では出せない色合いや華やかさ、特別感などを求める人に人気です。
プリザーブドフラワーの用途例

プリザーブドフラワーは、インテリアとして飾っておく以外にも、たくさんの用途があります。プレゼントやお見舞いなど、実際に使えるシーンを紹介します。
プレゼント
大切な人やお世話になっている人へのプレゼントに、プリザーブドフラワーはぴったりです。誕生日や結婚記念日、母の日・父の日などのプレゼントとして贈れば、相手に長く楽しんでもらえます。
すでにアレンジされているものを買えばそのまま飾ることができるので、相手が花瓶などの入れ物を持っていない場合でも安心です。
最近では名入れ・メッセージ入れサービスをおこなっているところもあります。花にプラスしてそれらのサービスを利用すれば、より印象に残るプレゼントになりますね。
お祝い花やお祝い返し
プリザーブドフラワーは、出産祝いや開店祝い、退職祝いなど、お祝いやお祝い返しの贈り物としても喜ばれます。
このようなシーンでは生花の贈り物が選ばれることが多いですが、相手があまり花に関心のない人であった場合、花器の用意や手入れの必要がないプリザーブドフラワーのほうが、受け取ったときに負担を感じません。
プリザーブドフラワーは生花以上に長持ちします。ずっと手元に残るものでもあるため、つきあいのある人の中でも特に親しい関係性の人への贈り物に向いているでしょう。
お見舞い
お見舞いの品といえば花が定番ですが、最近では衛生上の理由や、そのほかさまざまな事情から、生花の持ち込みを禁止している病院も少なくありません。
そのような場合でも、プリザーブドフラワーならお見舞い品として病室に届けられることが多いです。そのまま飾ることができ、水やりや肥料などの手入れが必要ないので、生花以上にお見舞い向きともいえるでしょう。
長く美しい姿を保つため、長期入院をする人へのお見舞い品にも適しているほか、短期入院の人には退院後も自宅で飾って楽しんでもらうことが可能です。
結婚のお祝いに贈る例

お祝い事の代表的なシーンであるウェディングでも、最近ではプリザーブドフラワーを贈り物に選ぶ人が増えてきました。結婚式や金婚式などで贈る例を紹介します。
結婚式や金婚式など記念日に
華やかで美しい姿を長くとどめておけるプリザーブドフラワーは、とても人気の高いウェディングギフトです。
メッセージ入れサービスをしている店で購入し、祝電の代わりに贈る人も増えています。時間が経っても美しいことから、結婚式はもちろん、金婚式への贈りものとしても最適です。
手入れが不要で、見栄えのよいディスプレイにもなるので、受け取った側は式場のロビーや待合室を彩るデコレーションにも使えます。
また、結婚式で両親へ渡すプレゼントとして生花ではなくプリザーブドフラワーを選ぶ新郎新婦もいます。式後はインテリアとして部屋に飾れるので、想いのこもった贈りものを長く残すことが可能です。
結婚祝いの送り方
結婚祝いは、式場に郵送する、本人の自宅に郵送する、または本人の自宅に直接持参するなどの方法で贈ります。
式場に郵送するのであれば、式の前日を目安として指定し、式場の担当者に郵送する旨を事前に伝えておくようにしましょう。
披露宴会場に送る場合は、伝票の横に挙式する両家の名前と日時、担当者名などを明記しておくと配達がスムーズになります。ほかの贈り物と混ざらないように、ラッピングやのし紙に送り主の名前を書いておくのも大切です。
式当日は慌ただしいため、サプライズで送ることはせずに、事前にきちんと贈る相手の都合を確認してください。
本人の自宅への郵送もしくは持参を考えている場合は、都合を聞いたうえで、挙式の1カ月~1週間前の間の、できれば吉日を選んで贈りましょう。
人気のプリザーブドフラワー
ウェディングギフト用のプリザーブドフラワーは、かわいらしくインテリアにぴったりなものが人気です。
鉢やボックスに花が飾られているスタンダードなタイプのものはもちろん、ハーバリウムにアレンジされたものや、ぬいぐるみや写真立てとセットになったものなどもあります。
結婚後の新居にふさわしい明るく華やかな色合いで、飾る場所を選ばない、手ごろなサイズのものを選びましょう。
誕生日などのお祝いに贈る例

誕生日は誕生日でも、記念すべき節目の誕生日には特別な花を贈りたいものです。誕生日などのお祝いに、プリザーブドフラワーを贈る場合の具体例を紹介します。
喜寿や百寿などのお祝いに
古希や喜寿、百寿などの特別な誕生日には、節目となる年齢を祝福する気持ちと人生の先輩への尊敬を込めて、プリザーブドフラワーを贈ってみてはいかがでしょうか。
季節に関係なく美しく咲きつづけ、水やりなど手入れの手間がかからないプリザーブドフラワーは、シニア世代へのプレゼントにも適しています。
体力が落ちて庭の手入れをするのが大変になってしまった人でも、穏やかに花を楽しむことができるでしょう。
長寿祝いの種類と色
60歳の還暦といえば、赤で祝うことが知られています。70歳の古希と77歳の喜寿は紫色、80歳の傘寿と88歳の米寿は黄色、もしくは金茶色が長寿祝いの色です。
また、90歳の卒寿、99歳の白寿、100歳の百寿の長寿祝いは白色とされています。これらをふまえて誕生日プレゼントにプリザーブドフラワーを贈る場合は、年齢に合った長寿祝いの色を選ぶとよいでしょう。
プリザーブドフラワーは長期保存ができるため、遠方への郵送にむいているほか、長寿祝いのパーティーなどに持参するプレゼントとしてもぴったりです。
人気のプリザーブドフラワー
それぞれの年齢の長寿祝いのカラーで作ったブーケや、プリザーブドフラワーと写真立てが一緒になった贈り物は、誕生日プレゼントとして人気があります。
また、百寿の100歳にかけて100本のバラを使用して花束を贈ったり、胡蝶蘭で和風のアレンジを施したりなど、長寿祝いの特別感を演出したプリザーブドフラワーを選ぶ人もいます。
自宅に飾って眺めてほしい、パーティー会場を華やげるディスプレイにしたいなど、贈るシーンや用途をイメージして選ぶのがおすすめです。
開店のお祝いに贈る例

知人や仕事でお世話になっている人の開店祝いにプリザーブドフラワーを贈るのもおしゃれです。
開店祝いといえば、生花のお祝いが定番化しています。そんななかプリザーブドフラワーを贈ることで、他のギフトにまぎれるのを防ぐことができ、より相手の印象に残りやすくなります。
開店や開業の縁起物として
『商売繁盛が長く続くように』『今後も長いお付き合いをお願いします』などのゲン担ぎの意味を込めて、開店・開業祝いとしてプリザーブドフラワーを贈るスタイルが増えています。
プリザーブドフラワーは虫の心配がないため、飲食店へのギフトにもぴったりです。大きさやアレンジメントの幅が広いので、相手の店やオフィスの雰囲気・規模に合わせた注文ができるのもよいですね。
立て札やのしの書き方
せっかく贈った花が他のギフトと混ざらないようにするためや、誰に贈ったものであるかがひと目でわかるようにするために、必要に応じて立て札やのしを利用しましょう。
開店祝いの場合は、立て札の最上部に『祝開店』や『御開店御祝』、または『御祝』などの言葉が入ります。相手先の名前を入れるのであればその下に入れ、次に贈り主の会社名、代表者名と続きます。
のしを使う場合は蝶結びのものを選び、表書きには『御祝』や『御開店御祝』などの言葉を入れ、下段に贈り主の名前を記します。
立て札・のしのどちらにするかは、ギフトが飾られるスペースや場所を考慮して選ぶのが賢明でしょう。
人気のプリザーブドフラワー
開店祝いや開業祝いに贈るプリザーブドフラワーは、相手の店やオフィスの雰囲気に馴染むものを選ぶことが大切です。
せまい店であれば壁にかけられるアレンジメントであったり、飲食店や美容院などであれば湿気を遮断できるドーム型ケースに入ったものであったりなど、相手の都合に合わせて贈るものを吟味しましょう。
単体の花のアレンジメントの他にも、プリザーブドフラワーでデコレーションされた時計など、おしゃれと実用性を兼ね備えたプレゼントも人気です。
お祝い電報を贈る例

お祝いの場には出席できないとしても、ひとこと祝福のメッセージを贈ることでお祝いの気持ちを表現することはできます。
誠意や真心を伝える手段として、プリザーブドフラワーと一緒に祝電を贈るという方法があります。
結婚式や節目などのお祝いに
祝電を贈る場面といえば結婚式が定番ですが、それ以外にも出産祝いや昇進祝い、敬老・長寿のお祝いなど、意外に祝電を贈るシーンはたくさんあります。
ただメッセージを贈るだけでは味気ないので、最近では、ぬいぐるみやプリザーブドフラワーなどのミニギフトとともに贈るのが人気です。
祝電のミニギフトとしてプリザーブドフラワーを贈る場合は、お祝いの気持ちが相手にしっかりと届くように、ふさわしい花の種類や色を選びましょう。
祝電の送り方
祝電を贈る際には、まず、相手の都合を確認することが重要です。
結婚式の場合は式が始まる前に会場に届くように手配するのが普通ですが、出産祝いの場合には、病院によっては祝電を受けつけていないところもあるので注意してください。
また、送り状は配達のために必要な情報のため、相手との関係性にかかわらず送り先の本名や会社名、役職名などを正式に書きましょう。メッセージの文面ではあだ名でよびかけたり、連名を入力したりすることが可能です。
人気のプリザーブドフラワー
結婚式の際に送る祝電には、ロマンチックでかわいらしい雰囲気のプリザーブドフラワーが多く選ばれます。
花がデコレーションされている花器や、カボチャの馬車やシンデレラの靴など、ウェディングシーン向きのものがたくさんあるのでおすすめです。
予算をあげれば、ケーキ型にデコレーションされたものや、ボックスいっぱいに花をつめこんだタイプの贈り物など、さらに選択肢が広がるでしょう。
商品によっては、文字数限定で花びらにお祝いメッセージを刻むことができるものもあります。花そのものがメッセージになるという目新しさと、見た目のかわいらしさが人気のアレンジです。
まとめ
プリザーブドフラワーは、生花に匹敵する美しさや手触りを持ちながら、生花以上に長持ちします。加えて自然に咲く花にはほとんど見られない色合いやグラデーションが楽しめる、特別な花でもあります。
日もちがよく、手入れも不要なことからプレゼントやお祝いの品に向いており、結婚式や誕生日はもちろん、開店祝いやお見舞いにも最適です。
最近では、花単体のアレンジだけでなく、ぬいぐるみや写真立て、祝電などとセットで贈れるプリザーブドフラワーも登場しています。大事な人のお祝いのシーンにぜひ役立ててみましょう。


